(C/2015VL62,136P,128P,C/2010U3)

前日の11月2~3日に世羅西へ遠征したばかりなのですが
4日も良く晴れたので夜半まで庭撮りしました。

最近メトカーフコンポジットで16枚全部を
一度に処理出来る事にやっと気付いて、
撮って出し画像では確認出来ないほど暗い
17等級の彗星の画像処理が簡単になったので
また17等級の対象を狙いました。



とは言え全然写らずボウズだといけないので
15等級の彗星も撮影しました(笑)


レモン・ヨン・パンスターズ彗星(C/2015 VL62)
2017年8月が近日点で夏に13等級になる予想です。
SnapCrab_


15等級は明るく感じます。
東方向に尾があるような雰囲気です。
2016.11.4 PM21:53~
ε160 + EOS KISS X3
ISO1600 90秒x16枚合成
2015VL62-2


10月からあまり変化は見られません。
合成


1か月で地球との距離が4900万km近くなっていますが
それでも明るくなっていないのは、
5億kmの内10%近くなっただけでは
光度変化に反映されにくいからでしょうか?

地球との距離が2~3億kmだと
5000万kmも近づくと増光するのですが。
軌道





ミュラー彗星(136P)
8.6年の周期彗星。
今が一番明るい時期ですが17等級の予想です。
SnapCrab_


コンポジット後にレベル調整をすると
それまで見えなかった彗星像が浮かび上がって来る瞬間が
印画紙の現像を彷彿とさせます(笑)

予想通り17等級で西に尾が伸びている感じがします。
2016.11.4 PM22:38~
ε160 + EOS KISS X3
ISO1600 90秒x16枚合成
136P-2


DSSと照合。
合成


2016年5月の近日点の時期は地球から遠かったので暗く、
しかも太陽の近くで観測しにくい位置でした。(太陽離角が小)
それから彗星、地球共に移動して、現在は太陽・地球・彗星が
ほぼ一直線に並んで真夜中の観測しやすい位置にいます。
軌道






シューメーカー・ホルト彗星(128P)
9.5年の周期彗星。
今が一番明るい時期でやはり17等級の予想。
SnapCrab_


17等級の銀河のように細長い姿が浮かび上がって来ました。
2016.11.4 PM23:17~
ε160 + EOS KISS X3
ISO1600 90秒x16枚合成
128P-2


DSSではこの位置に銀河は無いので彗星のようです。
合成


2017年1月の近日点に向けて、地球との距離は
遠ざかって行くので今後減光していく予想になっています。
軌道





ボアッティーニ彗星(C/2010 U3)
2010年に発見された彗星ですが2019年2月が近日点です。
発見以来増光しておらず17等級後半だそうです。
SnapCrab_


ぎりぎり存在が分かる拡散像が浮き出て来ました。
18等級?
2016.11.5 AM0:02~
ε160 + EOS KISS X3
ISO1600 90秒x16枚合成
2010U3-2


DSSにこのイメージはありません。
合成


この彗星は土星軌道付近の太陽系北側の
地球から13億km以上遠方にいます。
これほどの距離では数年間移動しても
明るさは変化して見えないという事なのでしょう。

近日点の2019年には現在より12%ほど
地球に近くなり少し明るくなる予想ですので
どのような変化をするのかを
毎年撮影してみようと思います。

この彗星に限った事ではありませんが、
これほど遠いと太陽の熱がほとんど届かないにもかかわらず
恒星状では無く、ガスや塵が発生して
拡散像をしているのが不思議です。
軌道