(45P,2P,93P,C/2015VL62)

大晦日の夕方編です。
午後5時頃現地到着。快晴微風。


夕方西天低空の彗星は暗くなってからの
撮影可能時間が短時間なので、
まだ明るいうちに望遠鏡を組み立てておいて
北極星が見えるとすぐに正確に設置し
速やかに撮影しないといけません。
バタバタするので焦ってミスをしない事が重要です。
s-RIMG0854





本田・ムルコス・パジュサコバ彗星(45P)
12°の低空。
すぐそばに月がいましたが、まだ2日目の月で
明るくないので撮影に影響はありませんでした。
SnapCrab_


撮って出し画像。
前回の久井の撮影地よりはましですが、
この場所でも光害の影響がありました。
s-IMG_0165


7等級で尾が伸びています。
12月28日に彗星核から塊が剥がれ落ちた事によって、
28~30日にかけて一時的に尾が太く長く伸びていましたが
31日にはすでに薄く短くなっていました。
2016.12.31 PM18:23~
ε160 + EOS KISS X3
ISO1600 30秒x16枚合成
s-45P


半月で大きく明るくなっています。
gousei


31日はちょうど近日点の日でした。
今後は1月末まで太陽の方向で見る事が出来ず、
2月初旬に明け方の東天に現れて以降は
地球に接近して来る様子を条件良く見る事が出来ます。
軌道2






エンケ彗星(2P)
3.3年の周期彗星。
2月末まで夕方の西天で見る事が出来て8等級になる予想。
SnapCrab_


現在は12等級との事。
2016.12.31 PM19:03~
ε160 + EOS KISS X3
ISO1600 90秒x16枚合成
2P-2


10月24日は17等級の恒星状。
12月31日は17等級の集光部の周りに
緑色のコマが発生しており、
この部分も含めた全光度で12等級。
合成


地球との距離は10月24日よりも遠くなっていますが
彗星が太陽に近づき、核の活動が盛んになって
コマが形成されたものと思われます。
3月10日の近日点以降は観測条件が悪く、
5月に明け方東天で見られる頃には暗くなっています。
軌道-






ロバシュ彗星(93P)
9.2年の周期彗星。
夕方の西天でしばらく15等級を保つ予想。
SnapCrab_


15等級のイメージ。
2016.12.31 PM19:32~
ε160 + EOS KISS X3
ISO1600 90秒x16枚合成
93P-2


10月5日よりも若干増光していて
10月は16等級前半。
12月は15等級後半。
といった感じでしょうか?
合成


10月よりも地球~彗星間は遠ざかっていますが
太陽~彗星間は6400万km近くなっているので
少し彗星核の活動が盛んになったのでしょう。
軌道2






レモン・ヨン・パンスターズ彗星(C/2015VL62)
2017年8月に13等級まで増光して
条件良く見る事が出来るという予想。
SnapCrab_


現在は15等級。
2016.12.31 PM20:28~
ε160 + EOS KISS X3
ISO1600 90秒x16枚合成
2015VL62-2


10月から変わらないイメージですが
厳密な光度測定によると
10月が15等級後半 → 12月が15等級前半
と少し増光しているそうです。
合成


太陽から遠方にいるので彗星の活動が盛んでは無く
近日点も火星軌道のかなり外側なので
今後も活発な活動は起こらず、
地球との距離が近くなって増光する
というパターンの予想になっています。
軌道2



2016年は32夜撮影していました。
2017年はまだ0です(笑)