*NASAのレーダー画像追記しました。


ふたご座流星群の出現と時を同じくして
母天体である小惑星ファエトンが地球に接近しました。
ファエトンは直径5kmの活動を終えた彗星と考えられています。
周期1.4年なので、たまには地球に近づきますが
今回は1000万kmと非常に近い距離まで接近しました。

地球への最接近は2017年12月17日頃で、
その2~3日前に最大光度10等級後半になるという予想でした。
増光して来る様子を1枚の画像にしようと
1か月前から撮影を始めて、4回撮影できました。



ε160 + EOS KISS X5
2017.11.16  23h15m~  ISO3200 30秒x8合成  15等級後半
       11.28  0h14m~  ISO3200 30秒x8合成 13等級後半
         12.11  21h06m~  ISO3200 20秒x8合成 11等級前半
       12.17  20h28m~  ISO6400 7秒x8合成 11等級前半
合成

撮影時の位置関係。
軌道

最も明るくなる12月14日~15日は曇って撮影出来ませんでした。
ところで、12月17日が地球最接近なのに
なぜその数日前が一番明るいという予想なのでしょうか?

それはファエトンが地球の軌道に近づくにつれて
地球から見ると月のように欠けはじめて、
光が当たる面積が変化するからです。
(望遠鏡で見ても実際に欠けて見える訳ではありません)

地球との距離と、光が当たる面積との関係で
最も明るくなるのが12月14~15日という事なのです。
そして17日以降もさらに欠けて行き、急速に減光しました。
位相角

*12月24日追記。
NASAも12月17日にレーダー観測したようで画像が公開されました。
理論通り半月状に欠けた姿をしています。
PIA22185-16